法人関係の方々だけではなく、映像制作のクリエイターの皆さまからも「クリエイティブに対する動画ABテスト」についてご関心を頂いております。
そこで本日は当社で行っているサービス、「動画ABテスト」について、実施に至ったキッカケ。そして、今後の展望についてご紹介します。
はじめに。映像制作の現場評価と、世間評価のズレ
私事となりますが、仕事として映像制作の現場に入り、今年で12年目となりました。
制作会社から広告代理店まで。商業映画から始まり、TVドラマ、ミュージックビデオ、TVCM、そして動画マーケティングと様々な角度から映像に携わってきましたが、どのジャンルにも共通する課題の一つに、”一般公開するまで評価・結果が分からない”ことがあげられます。映像制作は改善・修正を重ね、制作者内で盛り上がるほどの万全の制作物に仕上げたとしても、公開後、それが結果に結びつかないことが多くあります。
制作物の答えは誰が判断するのだろう?
広告やPRにおいて「公開するまで結果は分かりません」という返答は、広告主にとって厳しい物です。
他の広告物と比べ制作費が高い動画広告は、リスクの高い広告であることは間違いありません。では、可能な限りリスクを減らした広告制作にするためには何をすべきでしょうか?
まず私が着目した点は、「クリエイティブにおける答えの出し手が、時として変わる」という事実です。
答えの出し手とは、公開前・公開後で大きく異なり、
■一般公開前までのクリエイティブの答え(商品・サービスにおけるベストの訴求方法)=企業と制作者。
■一般公開後のクリエイティブの答え(視聴後のアクション)=視聴者。
となります。
映画などの芸術分野であれば、発信者の思いに視聴者が付いてくる構図で良いのかもしれません。しかし、視聴者に何かを訴えアクション(購買・来訪)を起こしてもらう必要がある広告分野においては、視聴者の好意・アクションを獲得できなければ「失敗」と定義されます。ゆえに、結果として「公開後における視聴者の答え」が最重要項目となります。
しかしながら、TVCMを中心とした動画広告制作の多くは、最も重要である視聴者の反応を公開前に見ることができません。(公開前にアンケートという形で見せる方法はありましたが、無作為で見せるのはなく、”見てもいいよ”と自発的に手を上げた人に見せるため、結果は比較的良好になる傾向がありました)
そのため、過去データからの参考・想定で制作進行を行わざるをえないため、”一般公開前までの答え”つまり、企業や制作者の決定に依存します。企業や制作者は考え得る不安点を払拭したベストの制作物を作り出しますが、結局ところ「結果は、実際に放映してみないと分からない」それが、映像広告の課題だったのです。
だったら、ABテストをして視聴者の反応を確認すれば良い
そこで当社では、「だったら、視聴者の答えを事前に確認しよう」との考えに至りました。
webインフラの発達により、動画を展開することが容易になりました。
何千万円もの費用をかけ、視聴時間・視聴番組・地域などから算出したターゲットに向けて展開していたTVCMとは異なり、1回の視聴につき数円〜数十円で年齢、性別、興味、職業、そして住んでいる場所まで細分化したターゲットに広告を届けることが可能となっています。
そこで、「本番さながらに、積極的な視聴意思のない視聴者に対してプレ広告を展開し、反応を確認する動画ABテスト」で事前確認するのです。
広告は世界情勢など、その他の環境に影響されるため、「ABテストを行うことにより全てが解決する」という訳にはいきませんが、成功確率を上げることはできます。本当に獲得したい顧客層に向けて事前広告を展開。反響率を測定の上、ベストの広告を本展開することで、改善・解決するクリエイティブ課題も多くあると考えています。
今後の展望
2016年、通常の動画制作に加え、ABテストサービスを行う企業が出てきました。
どれも同じ動画ABテストに見えますが、企業形態によって現状が異なっており、”広告代理店が行うもの”と、”制作会社が行うもの”で違いが出ています。
具体的な違いとしては、
【広告代理店】=制作後のマーケティングに強い。制作そのものは外部制作会社へ委託。広告展開におけるテストが中心なため、これまでのTVCMに似た構図となる。
【制作会社】=公開前の制作クリエイティブに強い。ターゲットに対しての制作物のベストを探ることができる。ベストを制作した後、広告展開で向上させる新しい手法。
となると考えられます。どちらも制作費用やマーケティングリソースの面でメリット・デメリットがあるため、制作におけるゴールによって使い分けるべきだと思います。
さいごに
当社は映像制作を中心としたクリエイティブ企業です。
ABテストにより効果的な動画構成・表現を追い求める、クリエイティブ寄りのABテストをご提供していきたいと考えています。また、ABテストに適した案件と、適さない案件がありますので、都度調整の上、実施の有無を確認させて頂いております。まずはお問い合わせください。
企業・制作者、そして視聴者と、全ての方を繋ぐ動画制作を目指してまいります。
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