スマートフォンやデジカメ等でも4K映像が撮れるようになり、一般家庭にも少しずつ普及してきました。
今回は、4Kが映像制作の現場でどのように使われているか。また、動画制作を依頼するお客さまにとってのメリット・デメリットを紹介します。
4Kとは
そもそも4Kとは何か?サラっとご説明します。
地上デジタル放送開始時にSD(サイズ:横720×縦480)からフルHD(サイズ:横1920×縦1080)へと切り替わった際、皆さんTVを買い換えたかと思いますが、感覚値としては今まさにあのSDからHDへの切り替わりと同じようなことが起きていると考えて頂けるとわかりやすいかと思います。
今回は、フルHD(横1920×縦1080)に対し、4K(横3840×縦2160)となります。
映像制作の現場では約10年前から4Kで撮影していた
ここからは、映像制作についてです。
一般的には4Kが「最新」と捉えられていますが、実は映像制作の現場では2007年のRED ONEというカメラの発売以降、映画やTVCMを中心とした制作現場で4Kフォーマットでの撮影が行われてきました。つまり、今から約10年前から現場では主流となっており、それは地上デジタル放送完全移行2011年の4年も前からの話です。
制作者は4Kで撮った超高品質な映像を、フルHDへとダウンコンバート(変換)して一般家庭へとお届けしていたのです。
4Kで撮るメリット
ではなぜ、映像制作者はフルHDが一般的な時代にも関わらず、4Kカメラで撮っていたのでしょうか?
様々な理由がありますが、判りやすい主な理由としては
- 超高性能HDカメラで撮るよりも鮮明なHD映像を作ることができる。(元映像ファイルサイズが非常に大きい場合、HDサイズに圧縮することで最大限の鮮明化ができた)
- 4Kで撮影しておくと、編集時の調整に何かと便利だった。構図の変更やズーム範囲の拡大ができた。(固定した三脚で動かない4K映像を撮っておけば、HD素材にする際にパンやチルトのような動き・さらにはズームという動きをつけることも可能)
などが挙げられます。
2番の編集の調整に関しては制作者としての「保険」としてのメリットが大きく、画角を広く撮っておけば、編集時に急な変更があっても対応することができたのです。
最近、パナソニックさんから撮影後に被写体をクローズアップし追従できる一般用4Kカメラが出ましたが、まさにそのような使用方法で使われる場面も珍しくありませんでした。(Panasonic:あとから追っかけ)
4Kで撮るデメリット
ではデメリットは何でしょうか?ビジュアル/クリエイティブの面では、デメリットは全くありません。
あえて挙げるとすると制作費用や一般視聴環境の問題が生まれます。
- 編集に時間がかかる。→映像内の情報量が多く、編集にはある程度のスペックを要したPCが必要。
- より緻密な撮影が必要となり、人件費増加分の費用がかかる→映りが良いため、撮影を始めとした各技術分野にてより緻密な作業が必要になり、スタッフ数が若干増えます。
- 4Kを4Kで視聴する環境が未だ整っていない→近年YouTubeが4Kに対応するなど、4Kでの映像発信は進化していますが、4Kを4Kで視聴できるモニターを所持している人が未だ少ないです。結局フルHDにダウンコンバートすることになり、4Kの能力を100%発揮できないです。
8K、16Kと囁かれ始めている制作現場
東京五輪に向けて、一般用は8K。プロ機材は16Kになるとの動きが出始めています。
4Kが主流になったと思ったら、次は8K!?と思わず突っ込みたくなりますが、技術の進歩とともに映像そのものも日々進化しているようです。
さいごに。今後、映像制作を検討される方はどうしたら良いのか?
今回は4Kで撮影するメリット・デメリットをご紹介しました。現段階では基本的にフルHDにダウンコンバートした物を展開することの方が多いと思いますので、費用感・使用用途に応じて決定すると良いと考えています。
映像は4Kだから良いという訳でもなく、撮影機材のチョイス(レンズの選択)でも大きく変わってくるため、やはり担当の映像制作者に細かなビジュアルイメージを伝えるのがベストだと思います。
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