「経済のグローバル化」という言葉は珍しくもなくなり、日本市場だけで成り立っている企業の方が珍しい存在となりつつあります。その流れを受けて、映像を使ったPRも続々と海外向けのものが増えてきています。
ところで、企業の海外向けの映像は、ただ外国語字幕をつければOKなのでしょうか?
海外と日本の映像感覚の差
音楽でもCMでも、そこに出演している人の人種に関わらず、「日本らしい」「海外らしい」という印象はありますよね。それでは、海外で放送される映像広告は、日本のものと比べてどのような特徴があるのでしょうか?代表的なものを5つ、箇条書きでまとめてみました。
- 説明が長く、イメージ重視の日本。結果や内容を直球で説明する海外。
- 比較広告をほとんどしない日本。直接的に比較する海外。
- 有名人を多用する日本。ギャラが安いため、有名人がほとんど出演しない海外(主にアメリカ)。
- 全体的に明るめの映像の日本。暗めで、重厚感のある印象の海外。
- 分かりやすい笑いの要素が散りばめられる日本。少し過激な、捻りのあるユーモアが評価される海外。
この中で特に気を付けたいのが”1”です。日本のCMを見せると「結局何のCMで、どんな効果があるのか分からない。」という印象を持つ海外の人が多いそうです。
それでは、日本企業が海外向けにどんな映像を作っているのか、チェックしてみましょう。
日本と海外でイメージが変わる資生堂
国内で目にする資生堂の広告は、華やかな女性有名人の起用が印象的。こちらは、資生堂が海外向けに作成した、ブランドストーリーを伝えるムービーです。
登場するのは、人種の異なる女性たち。もちろんどの女性も美人ですが、いわゆる有名人ではありません。彼女たちが美について語ったあと、資生堂が日本の美を支えてきた歴史を強烈にアピールします。日本と海外では、こんなにもイメージを変えているのですね。同じ企業とは思えないほど印象が異なります。
リズミカルな展開が心地よい、パナソニック
家電メーカーのパナソニック。一口に家電メーカーといっても、BtoBから白物家電まで、その事業内容は多岐に渡ります。そんな巨大企業の全貌を紹介するのがこちらのムービー。“Solutions for a Better World”をキーワードに、テンポよくテロップアイコンと実写を組み合わせた映像が続いていきます。字幕は非常に控えめですが、それでもしっかりと同社の想いと事業の内容が伝わってきます。
日本だけでなく、海外のパナソニックで働く人たちやユーザーが登場するのも、外国の人々に共感を得るポイントですね。
企業の一年を駆け足で紹介。日産自動車
外国人をトップに据え、まさに経済のグローバル化を象徴するような存在の日産自動車。こちらの映像は、同社の2015年4月から2016年3月までのトピックを全社で共有するためのものです。”2″で紹介したパナソニックと負けないくらいに、情報量が多いのですが、リズミカルな映像とテンポの良い音楽で、それを感じさせない仕上がりとなっています。
文字ではなく、映像にこだわって視覚的に情報を伝えることが、海外向けの映像を作る際の一つのポイントです。
外国人講師の不安を解消。AEON
全国の英会話教室で、外国人教師による英会話レッスンを提供しているAEON。こちらの映像は、その教室を支える外国人講師たちのための映像です。面白いのは、実際に働いている外国人講師たちが出演し、プライベートや仕事の様子を説明している点。到着した日の出迎えの様子まで映し出すなど、外国人講師が不安に思いそうな点を丁寧にフォローしています。
海外人材向けの人材採用を検討している企業であれば、ぜひ参考にしたい映像です。
海外向けの映像は、それに合った内容が重要
いかがでしたか?今までの日本であれば、国内市場が大きく、企業も国内だけを見ていれば事足りていました。しかし、海外市場への進出や、そのための映像展開が必須となる時代はそう遠くありません。
ただ言語を翻訳するだけでなく、海外の人の心に響く映像で、自社や商品の魅力を積極的に発信しましょう。
弊社では、外国人映像クリエイター参入により各種映像の多国語展開を進めています。事業の海外展開をご検討の際はぜひお声がけください。
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