映像・文字・音声。多くの情報を一度に届けることができるのが動画広告の一番の特徴です。しかし、何ごともやりすぎは禁物。情報を詰め込みすぎて、動画広告にとって一番大切なものを失っていませんか?
情報量と広告効果の意外な関係
動画広告の製作費は安くはありませんし、製品やサービスも、作り手にとっては思い入れ深いものばかりです。その結果、商品名、特徴、販売店、URLなど、情報が過度に詰めこまれたた広告が、世の中に溢れています。ですが、人が理解・記憶できる情報量には限度があります。
動画広告に情報を詰め込めすぎるデメリットを、3つ紹介します。
■動画広告に情報を多く載せなくていい3つの理由
A.人の記憶できる文字情報は多くない
映画の字幕には、台詞1秒に対して4文字以内、という原則があります。このようなルールが必要になるほど、人が瞬時に処理できる文字情報は少ないものなのです。また、右脳を使った視覚イメージによる記憶は、左脳を使った言葉や文字による記憶よりもスピーディーで、その容量も大きいというのが定説です。このことは、あなたの頭の中で「顔は覚えているけれど名前が思い出せない人」の数と、その逆の人の数を思い浮かべてみれば、すぐ実感できるはずです。
B.情報量が多いほど、高級感が損なわれてしまう
近所の安売りスーパーのチラシと、高級ブランドの広告を比べると、前者の方が圧倒的に多くの情報を載せているはずです。十分な余白や、必要以上に情報を表に出さないことは、高級感を演出する秘訣です。ブランドや企業のイメージをアップさせたいのであれば、動画であれ紙媒体であれ、情報は控えめにするのが秘訣です。
C.消費者が購入前に検索をするから
消費行動理論の定番、「AISAS」にあるように、多くの消費者は「Action=購買」の前に「Search=検索」を行います。ですので、限られた時間の動画広告に情報を詰め込む必要はありません。消費者に興味を持たせることができれば、残りの情報は自分で調べてくれます。
多少の勇気が必要ですが、思い切りよく情報を最小限に留めることで得るメリットは大きい可能性が高いです。
それでは、ナレーションやテロップを極力排除し、映像美にこだわった動画を4つご紹介します。
1.食べ物がまるでアートに!M&S FOOD
イギリスの大手小売り事業者マークス&スペンサー(M&S)のCMでは、普段よく口にする食材や調理方法が、アートのように映し出されています。スイカが花火のようにはじけ、ソースがまるで絵の具のように飛び散り、まさに「Fiesta=祝祭」というタイトルに相応しい映像です。
店舗情報も値段も書いてありませんが、M&Sに行けば素敵な食材に出会えそうな予感がしますね。
2.美しさにこだわるデザイナーの描く夢の街。Christian Louboutin
女性の脚を美しく見せる靴をデザインしたら右に出る者はいない、フランス出身のデザイナー、クリスチャン・ルブタン。美にこだわる彼が作り出したのは、無駄な装飾を一切排除した白一色の魔法の街「loubiville」です。控えめに配されたブランドロゴ以外には、一切文字はありません。それでも、アイコニックなレッドカラーと、パンプスの形で、ブランドらしさが伝わります。
「この靴を履いて、こんな美しい魔法の国に住んでみたい・・・。」女性なら誰でもそう思ってしまいそうです。
3.世界各地から集まったワクワクする4K映像。Go Pro
アメリカ発のアクションカメラGoProでとらえた映像をつなげたムービーです。4K動画が撮影可能なモデルを使って、火山の火口、ネオン、海中などが鮮やかに撮影されています。この映像を観れば、GoProの画質、ハイスピードカメラとしての性能、定点撮影ができることなど、多くの情報を4分で理解できます。
もし、この映像で使われている機能や魅力を文字で全て書き起こしたら、きっと誰も読んでくれない長さになってしまいますね。
4.時を刻み続ける時計と、盆栽のコラボレーション。CASIO G-SHOCK
日本発の時計「CASIO G-SHOCK」。その中でも最高峰の技術を集めたMR-Gシリーズの20周年を記念して撮影された動画です。製品の魅力である「耐久性」と「日本の高い技術」を、ゆっくりと成長する「盆栽」を使って美しく伝えています。
「時計」と「盆栽」は、珍しい組み合わせですが、自社の製品の特徴や魅力を、他のものとコラボレーションさせることで高級感を損なわずに表現した好例です。
シンプルな映像は雄弁
いかがでしたか?どの動画もテキストやナレーションはほとんど使われていませんでしたが、その魅力や特徴が視覚的にあなたの記憶に残ったのではないでしょうか。
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